一般的に、ニュースになるようなネット被害というと、ホームページの改ざんや顧客情報の漏えい、コンピュータウィルスなどが挙げられますが、実はネット被害の場合で深刻かつ対策が困難なものとしては、誹謗中傷における風評被害が挙げられます。上記のようなネット上におけるセキュリティ・システム的な問題は、目に見える対策を立てることができますが、ネットでの根拠の内誹謗中傷・噂話などのようなものに対して、個人はもとより企業はあまりにも脆弱です。
一度発信されれば一瞬にして拡散し、個人・組織を問わずあらゆるネットツール・ネットメディアで永遠にアーカイブ(残る)されることになります。そういった情報を「沈静化するまで待って」いては、いつまで経っても風評被害によって失った信頼や業績を取り戻すことは難しいでしょう。
ですから、こうしたネット被害に対しては、断固たる処置を取ると同時に、情報がネットユーザーの目にとまらないような工夫・対策を施すことが何よりも求められます。例えば、大企業のような、検索エンジンで検索すれば上位に表示される組織の場合、誹謗中傷やネガティブキーワードが与える影響は非常に大きいものです。業績や株価、そして人材の募集にまで影響してくるのです。
例えば、「×××会社」と検索した時、“×××会社 ブラック企業”と予測検索で表示されたら、その人はどんな印象を持つでしょうか? こういった場合において、検索エンジンに罪はありません。検索エンジンは機械的に検索ロボットがキーワードをピックアップしてくるからです。では、情報の根源を叩けばいいかというと、そうでもありません。すでにネット上には同様の情報が拡散し、しらみつぶしに消去することも不可能な状態になっています。ですから、検索エンジンにおいては、情報を削除することももちろんですが、「検索されない」対策が重要になってくるわけです。これが、ネット被害における対策のひとつ、検索エンジン・キーワード対策などと呼ばれるものです。検索エンジン対策ということで、逆seoと呼ばれることもあります。
こうした対策というのは、ある程度ネットの知識があれば実施することは不可能ではありませんが、世界中の情報を収集し、世界中の人々が検索する超・巨大検索エンジンにひとりで立ち向かうことは極めて難しいことです。
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